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部活動の地域移行とは
「部活動の地域移行」とは、少子化や教員の業務負担などの問題で維持が困難な学校の部活動を地域のスポーツ団体や他の学校と連携・協働を行うことで、子供達へスポーツに親しむ機会を確保し、将来にわたって環境整備を進める活動のことです。
参考:文部科学省・スポーツ庁「運動部活動の地域移行について」
現在の部活動が抱える3つの問題点
現在、スポーツ庁の統計では中学校(義務教育学校)の運動部加盟人数は2009年度の約233万人から、2018年度には約200万人と約13.1%減少しており、このままでは2048年度には約148万人と36.7%も減少すると推測されています。こうした場合、野球やサッカーなどのチームスポーツでは人口が半減する試算もあり、部活動の維持が困難となることが危惧されています。
ではなぜ、このような問題が起こるのでしょうか。学校が抱える部活動の問題点として大きく3つあります。
深刻な少子化による生徒の減少
1986年当時の生徒数589万人と比較し2021年時点では生徒数296万人と半減しています。更に日本では少子化が進むことから、チームスポーツを中心に部活動は減少していくことが予測されます。
教員の大きな業務負担
部活動の顧問を行うことで教員の業務負担が増え、休日も練習指導や大会の引率等が求められることから労働過多・長時間労働・サービス残業といった様々な労働問題が発生します。
競技経験のない教員が指導せざる得ない状況
部活動の競技経験がない教員が指導することから、教員の心理的ストレスだけでなく、生徒のスポーツ技術の向上を通して学ぶことができる成長の機会が失われています。
これからの取り組みと具体策
引用:文部科学省・スポーツ庁「令和3年度地域運動部活動推進事業」
上記の問題を解決し、少子化の中でも子供達がスポーツを継続して親しむことができるよう、文部科学省主導で2023年度から2025年度末にかけて「部活動の地域移行」に向けた環境整備に取り組むことが決定されています。
具体的には各地域の実情に応じて以下のようにスポーツ団体や教育委員会などが実施主体となり、全てのスポーツについて生徒の状況に応じた機会確保を行います。
全国102市区町村における部活動の受け皿の状況
引用:文部科学省・スポーツ庁「令和3年度地域運動部活動推進事業」
多様な部活動の活動拠点
「部活動の地域移行」は実施団体により部活動の拠点となる場所も変わってきます。
- 自身の学校で部活動に地域のスポーツ指導者を招待して部活動を維持する。
- 地域のスポーツクラブを拠点に部活動を行う。
- 指導者・環境が整った地域学校で部活動を行う。
上記のように「自身の高校」「地域クラブ」「他校」など地域の状況によって様々な受け皿があります。一方で「学校との連携」「指導者の信頼関係」「会費の費用負担」といった課題もまだまだあり、現在は試験段階にあると言えます。
神戸市レスリング協会の取り組み
神戸市レスリング協会では、神戸で中学生・高校生の方を対象にレスリング部入部の受け入れを行なっています。以下は部活動の地域移行が可能なレスリング部・チームの一覧です。
レスリングチーム | 活動地域 |
---|---|
県立神戸高塚高等学校 | 神戸市西区美賀多台9-1 |
神戸市立須磨翔風高等学校 | 神戸市須磨区西落合1丁目1−5 |
神戸市立六甲アイランド高等学校 | 神戸市東灘区向洋町中4丁目4 |
ボンズ レスリング クラブ※ | 神戸市兵庫区湊町1丁目2-1 |
見学・体験をご希望の方は当協会までお問い合わせください。
レスリングクラブの地域移行の実績
当協会所属のレスリング部の監督陣は専門的な技術を持ち、現在も日本のトップレベルで活躍するレスリング選手を育成してきました。
中学校・高等学校の他校生徒も拠点校として実際に受け入れを行い、レスリングの成績で大学進学を決めた生徒も多数います。こちらはほんの一例ですが、以下の卒業生の実際の部活動地域移行の実績です。是非ご参考ください。
樋口 徹心 【生年月日】2001年2月6日 【主な戦績】2022年全日本学生選手権:1位、2022年U23世界選手権:7位 【経歴】一心館六甲アイランド→神港学園高等学校卒業→日本体育大学卒業→ALSOK東京株式会社入社 【部活動の地域移行】神港学園高校在学中に活動拠点として六甲アイランド高校レスリング部に入部
堀北 一咲望 【生年月日】2003年3月31日 【主な戦績】2023年JOCジュニアオリンピックカップ(U20):1位 【経歴】一心館六甲アイランド→県立西宮香風高等学校→日本体育大学在学中 【部活動の地域移行】県立西宮香風高校在学中に活動拠点として六甲アイランド高校レスリング部に入部
レスリングは戦績次第で大学進学にも有利に働くスポーツです。体力やエネルギーが有り余っているお子様には体力作りだけでなく、成長の場としてもオススメです。
神戸市でスポーツクラブの入部を検討されている方は是非一度お問い合わせください。